白老町末広町のしらおいイオル事務所チキサニで25、26両日、「ござ編み体験」の教室が開かれた。参加した町民7人は、民族伝統の器具と方法でござ編みを楽しんだ。
一般社団法人白老モシリがイオル(伝統的空間)体験交流事業として催した。講師は、町内のアイヌ伝統工芸サークル「テケカラペ(アイヌ語で手仕事)」の山崎シマ子代表(82)が務めた。
アイヌ民族のござには、無地で敷物や防寒のために窓に掛ける「キナ」と、文様入りで儀礼やイタオマチプ(板つづり舟)の帆などに用いられた「チタラペ」や「ニカプンペ」がある。呼び名は、大きさや文様の有無、用途や地域で異なる。
参加者は、昨夏に町内のポロト湖やフシコベツ川流域の湿地で採集したシキナ(ガマ)の葉を材料に、民族伝統の編み機「イテセニ」でござ編みに挑戦。重しには本来、ピッ(重り石)と呼ばれる石を用いるが、今回は便宜上、紙管の中に乾電池を詰めたものを用いた。参加者は、2日かけて30センチ四方の壁飾りを作り上げた。
友人の誘いで参加した町東町の会社員、冨山萌夏さん(22)は「初めて作ったが指導が親切で楽しい。完成品は壁に掛けてインテリアとして楽しみたい」と話していた。