白老町消防本部は、心電図モニター付き自動体外式除細動器(AED)など最新の救命救急機器を搭載した高規格救急自動車を1台導入した。2011年3月に取り入れた車両が走行距離計約20万キロに達し、老朽化が進んだことに伴う更新で、18日から運用している。
導入したのは日産自動車のキャラバンをベースとした高規格救急自動車「パラメディック」。全長5・33メートル、全幅1・88メートル、車高2・56メートルで、防衛省の特定防衛施設周辺整備調整交付金事業を活用し、約2300万円で購入した。14日までに消防本部に納車され、車体には同省と地域社会との協力を象徴する握手を図案化した六角形のエンブレム(記章)が付く。
車内には、心電図モニターとAEDが一体化した資機材や、感染症対策の一環で運転席と活動スペースを仕切る扉を設置したほか、移動用寝台(ストレッチャー)のレールを横から斜めにする工夫で隊員の活動域が広げられている。
消防本部などによると、救急時の搬送時間は町内で10~15分、管外で30~50分を要し、生命に危険がある場合は心臓マッサージを続けながら医療機関に搬送する。14年に導入した救急車両では自動心臓マッサージ器を初めて取り入れており、今回の車両更新とモニター一体型AEDなどの導入では、救急搬送時の隊員の負担軽減と応急対応の充実が期待できる。担当者は「町民のさらなる安心、安全につなげられる」と語る。
外装は14年の導入車両にならい、海のある町をイメージした青いストライプを採用して統一感を図った。
町の救急車両は2台体制で運用し、予備車両1台を配備する。年間出動回数は22年(1~12月)で1131件。更新車両は本部保管とし、救急隊員の資格を有する37人が交代勤務で運用していく。