むかわ町は、北海道テレビ放送(HTB=本社札幌市)、ジャパンケーブルキャスト(本社東京都千代田区)が開発したデータ放送、ハイブリッドキャストを活用し、テレビ画面で自治体の情報を配信するサービスを4月1日からスタートする。テレビのdボタンを活用し、HTBのデータ放送から行政が配信する情報を見ることができるようにする。サービス開始に先駆けて20日、町産業会館で記念セレモニーが行われた。
町によると、鵡川地区ではこれまで防災無線とラジオ、穂別地区では住民が行政とやりとりできるコミュニケーション機器「IP告知端末」などで情報を発信。さらにジャパンケーブルキャストの無料アプリ「JC―Smart」を町内全域で運用できるようにし、スマートフォンでも情報を得られる仕組みを構築してきた。
今回、新たに組み入れたのはHTBのデータ放送からdボタンを押すだけで簡単に操作できるもの。テレビ画面上に出る「むかわ町からのお知らせ」メニューを選択することで、役場からの情報に加え、医療機関や道路情報など生活に関する内容を見ることができる。詳細な地域ごとの天気予報、定点カメラなどの防災情報も住んでいる地域ごとにピンポイントで確認できるようになる。またハイブリッドキャストに対応したテレビの場合、ハザードマップなどより多くの情報を受け取ることができるという。
関係者によると、ハイブリッドキャストを使って自治体情報を発信するのは全国でも初めての事例。竹中喜之町長は「胆振東部地震の災禍を受けた町として、町民が必要な情報を素早く、正確に伝えようと伝達手段の充実に取り組んできたところ。より役立つ情報発信を通して復興感を高めていきたい」とあいさつし、ジャパンケーブルキャストの樋山洋介取締役は「町民に安心して使っていただけたら」と期待を述べた。
HTBの寺内達郎社長は「地域のきめ細かな情報を届けるのもわれわれの役目。地域メディアとして、町民の大きな価値になるよう、安全安心につながる迅速かつ正確な配信を心掛けていきたい」と話していた。