道や胆振東部3町、苫小牧広域森林組合などの林業事業体でつくる「胆振東部森林再生・林業復興連絡会議」が16日、厚真町内で開かれた。道が昨年3月に策定した「胆振東部地震森林再生実施計画」の進ちょく状況を説明し、2022年度はおおむね計画通りに進んでいることを説明した。
被災森林の復旧状況などに関する情報共有の場。道や安平、厚真、むかわ町、苫小牧広域森林組合などから約50人が出席した。
同計画は、地震によって被災した約4300ヘクタールの森林に対して、森林造成や林道の復旧などを22~26年度の5カ年で集中的に実施することなどを示したもの。
道によると、22年度計画では被災木整理115ヘクタールのうち、整備が進んだのは103ヘクタールで進ちょく率にして約90%。植林・緑化等については、計画150ヘクタールに対して148ヘクタール(進ちょく率98%)とほぼ計画通りとなっている。
23年度については、被災木整理105ヘクタール、植林・緑化等196ヘクタールを整備。林業専用道は7890メートル、森林作業道は2万5200メートルを予定している。
道の担当者は「自然回復から植林、あるいは植林から自然回復に切り替えている箇所もある」と指摘。当初、復旧作業を予定していた崩壊斜面に関しても「作業部会の土壌調査を通じて、植栽の可能な範囲が確認できた。植栽可能な範囲が増えることで森林の加速化につながるのでは」とした。
また、森林再生を加速させるための路網整備については、厚真、むかわ両町の一般民有林、道有林に関して計画通りに進んでいることを報告。次年度以降も「順次、路網を整備し、森林再生につなげていきたい」と話した。
加えて、胆振総合振興局で行う被災森林所有者の戸別訪問では、一定規模以上の森林を所有する346人のうち、3月上旬時点で114人を訪問済み。意向確認の結果、17人はすでに復旧対応を終えていることが分かった。今後も戸別訪問を継続し、意向結果などを同会議で共有していく考えだ。