むかわ町の鵡川高校の生徒5人が、2月までに行われた日本英語検定協会主催の実用英語技能検定(英検)で準2級以上に合格した。3年の岩倉アキラさん(19)は大学でも上級程度の技能が必要とされ、合格率10%程度とされる1級に合格。学校関係者は「同校ではこれまでにないことでは」と喜んでいる。
英検は、世界各国の教育機関で海外留学時の語学力証明資格に認定されている。基礎の5級から、相手に伝える発信力や対応力が問われる1級まで7段階あり、学校や企業で広く評価されている。
中でも1級は、世界で活躍できる英語力が求められるレベル。岩倉さんは1年前に準1級に合格し、その後1年は大学選抜試験と並行して英検の準備を進めた。英文の本や記事を何度も読み返し「大学受験で使った資料も使って勉強した」と話す。筆記や英作文のある1次試験(1月下旬)の準備は、秋田泰教諭をはじめ、公営塾で何度も添削を受けて進めた。面接形式のスピーキングを行う2次試験(2月中旬)の対策は、秋田教諭と入念に取ったので自信を持って臨めたという。卒業式前日に学校に吉報が届き、自身の門出に花を添えた。4月からは小樽商科大学に進み、「IELTS(英語の資格試験)など上の検定を目指したい」とさらなる高みを目指す。
2級を取得した2年の大捕埜碧さん(16)は「ずっと取得したかったのでうれしい。在学中に準1級を取れるように勉強を続ける」。同じく2年の前田波輝さん(17)は4度目の挑戦で2級合格を勝ち取り、「他の高校2年生も取っているので特別ではないかもしれないが、進学にも役立つと聞いている。今後は受験に向けて頑張っていきたい」と目標を語る。
準2級を取得した1年の友近観聡さん(16)は「試験が終わった時に受かった感触がなかったのでうれしい。これからも英語力を伸ばしていきたい」と言い、同じく菅原佑真さん(16)は「目標の2級に向けて勉強を継続したい」と意欲をかき立てていた。
5人は授業以外にカナダやスウェーデン、フィンランドの高校生と定期的にオンラインで交流するなどして、英語力を磨いてきた。秋田教諭は「各学年で上を目指している生徒たちが、コンスタントに力を発揮してきた」と目を細めていた。