一般会計112億9000万円計上白老町23年度予算案骨格でも過去10年で最大規模町立病院改築総額押し上げ

会見する大塩町長

　白老町は10日、2023年度の各会計予算案を発表した。今月に町長選が行われたことに伴い政策的経費を極力抑えた「骨格予算」としたが、一般会計は過去10年で最大規模の112億9000万円となった。町立病院改築など大型事業の経費を計上したためで、22年度当初比5・5％（5億9000万円）の増。新年度予算案は15日開会の町議会定例会3月会議に提出する。

　主な歳入を見ると、町税は収納率の上昇などにより22年度比4・2％（9944万9000円）増の24億4912万8000円を計上。地方交付税は同1・1％増の38億円、交付金関係は同1・2％増の6億5220万円とした。

　歳出で金額を押し上げたのは環境衛生費（6億2710万8000円増）と民生費（2億5633万1000円増）。環境衛生費は町立病院改築事業のための国民健康保険病院事業会計への繰出金がかさみ、民生費は多機能型生活館（白老生活館）の建て替え事業費の計上で増額となった。一方、土木費（1億5373万5000円減）は骨格予算で政策的経費を見送ったため大幅な減額となった。

　町の財政運営は、一般会計と、国民健康保険事業をはじめとする五つの特別会計、さらに水道事業、下水道事業、国民健康保険病院事業の3企業会計で成り立つ。一般、特別、企業会計を合わせた予算総額は、22年度比15・7％（30億7500万円）増の226億6300万円。

　各会計の運営は原則として独立採算だが、収支不足になった場合は一般会計からの繰出金などで収支均衡を図っている。23年度の操出金は、病院改築事業に関する企業会計への操出金が総額を押し上げ、5億800万円増となった。

　大塩英男町長が公約に掲げる児童の医療費・給食費無償化など政策的な経費については、今後の補正予算に計上し、議会に諮る。

　大塩町長　記者会見で就任あいさつ

　白老町の大塩英男町長は10日、町役場で初めての記者会見に臨み、就任あいさつを行った。「（公約の）『共感広がる信頼のまちづくり』を進めるべく強い使命感を持ち、全身全霊で町政運営に取り組む」と決意を述べた。

　多発する災害から住民の安全、安心を守る取り組みや、急速に進展する少子高齢化、人口減少、公共施設老朽化などの課題を挙げ、「刻々と変わる状況をしっかりと見極めながら、町民の生活と安全を守るため、これまでの施策をさらに効果的に推進しつつ公約実現のための政策を進める」と述べた。

　大塩町長は「町民の視点に立ち何ができるか、何をすべきか」を考えるのが町職員時代から変わらない心構えだとし、「皆さまの声に耳を傾け、心に寄り添い、誰もが幸せを感じることができる持続可能なまちづくりに、職員と一体となってまい進する」と力を込めた。

　2023年度の主な事業

　▽多機能型生活館整備事業　2億8750万円

　▽伴走型相談支援および出産・子育て応援給付事業

　289万8000円

　▽町地球温暖化対策実行計画策定事業