白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は11日、町指定無形民俗文化財「町伝統文化継承者」と作品を紹介する企画展「山崎シマ子・菅野節子2人展~紡がれた技、アイヌの伝統的手工芸」を開幕する。初日午前10時からは、両者が作品への思いや制作での労苦を語る展示解説会を開く。
町教育委員会は長年にわたり町内の伝統文化を継承し、後継者育成に貢献してきた町民を町伝統文化継承者に指定しており、今年2月に「工芸」「芸能」両分野から町高砂町の山崎さん、町萩野の菅野さんを選んだ。
企画展はこれを記念したもので、山崎さんのアットゥシ織りやゴザ編み、菅野さんの縫製や文様刺しゅうなど、アイヌの伝統的手工芸品計約50点を並べ、現代に受け継がれた技と精神を紹介する。
山崎さんは企画展に寄せて「伝承活動が続けられるのは先祖が素晴らしい作品を残してくれたおかげ」と語り、菅野さんは「先祖が残した技法に沿ってアイヌ文化の振興に助力したい」と話している。
開幕準備は9日に開始。苫小牧市の会社員で山崎さんの孫に当たる山崎快人さん(23)も駆け付け、職員と一緒に飾り付け作業に汗を流した。快人さんは「自分の親族から伝統文化継承者が誕生したのは誇らしい。手伝いができてうれしく思う」と話していた。
31日まで。入館料は一般300円、小中学生150円。町民は無料。問い合わせは同館 電話0144(85)2666。