厚真町議会定例会は9日、本会議を続開し、胆振東部地震で自宅が被災した住民向けに町が整備した新町地区の災害公営住宅4戸で2月末に雨漏りが相次いで発生したことを明かした。災害公営住宅では昨秋も同様のトラブルが起きている。町が把握しているだけで5件あり、住民からは「またか」と怒りの声が寄せられている。
伊藤富志夫氏の一般質問への回答。災害公営住宅は地震で自宅が被災した町民向けに新町、本郷、上厚真の3地区に計32戸を整備。仮設住宅などに入居していた町民が2020年秋から順次入居した。町によると、新町地区では現在20戸全てが使用されている。
伊藤氏は雨漏りや床下浸水で部屋が水浸しになったため、自宅のトイレが使えないなど町民生活に支障が出ていることを指摘。「被災して心の折れている住民が再出発の思いを持ってるはずの場所で繰り返し問題が起き、みんないら立っている」と思いを代弁した。
災害公営住宅では、これまでも雪解けの水がポーチに流入したほか、昨夏は地下水の上昇などが起きており、町はその都度対応してきた。今回の雨漏りは、施工業者の責任で屋根鉄板の緩みを締め直し、コーキングなどをして補修したという。
宮坂尚市朗町長は「たびたびご迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げたい。設計であらかじめ想定できなかったことを反省している」とした上で、今回の経過や排水設備など「不安を払拭(ふっしょく)する手だてを説明させていただきたい」と述べた。
このほか、22年度の各種特別会計補正予算案にかかる議案4件を原案通り可決した。