むかわ町議会の定例会が9日に開会し、竹中喜之町長が2023年度町政執行方針を表明した。胆振東部地震以降、変動する社会情勢を踏まえながら、事前復興計画の策定をはじめとする「まもる力」、創造的復興・創生のための「つくる力」、協働・共創・共感を高める「つなぐ力」を掲げ、「防災先導のまちづくりから住み続けたいまちづくりへつなげていく」と語った。
竹中町長は、災害に強いまちづくりとして事前復興計画の策定をはじめ、全国初となる自宅テレビのdボタンで放送とデータを同時に提供する次世代データ放送サービス「ハイブリッドキャスト」を活用したシステム運用を開始し、「誰一人取り残さない情報伝達手段の多重化を図る」と説明。震災から5年に合わせて震災当時を振り返り、今後の防災・減災を考える講演会などの開催も予定していることを語った。
農林漁業の支援の中でも地域ブランドの「鵡川ししゃも」については、漁獲量が危機的状況にあることを踏まえ、「ふ化場の完成を機に試験研究機関、漁協、行政による調査研究会を立ち上げ、資源回復に向けた調査・研究に努める」とした。
このほか、町として子育て支援に力を注ぐ考えを示し、「妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行うため、関係機関と連携しながらもう一段上の子育て支援対策に取り組む」とした。「子育て応援基金」を今年度中に創設し、0~2歳児保育料無償化事業に乗りだし、経済負担を軽減させる。
竹中町長は「日々変化する社会情勢を的確に捉え、若い世代に大きな負担を残さないよう、本町にとって必要な施策を選択していく」とし、「未来への種をまき、芽を大切に育て、子どもから大人まで誰もが希望と愛着を持てる持続可能なまちづくりを進めていく」と結んだ。
この日は6氏による一般質問も行われた。