特定非営利活動法人アンサンブルグループ奏楽(そら)=札幌市=は6日、厚真町内の小中学校4校の校歌を学校ごとに収録したCD、DVDを作成し、寄贈した。コロナ禍により学校で校歌に接する機会が減っている児童生徒に、グループのメンバーが演奏した校歌を子どもたちにプレゼントしようと行っている「校歌プロジェクト」。同グループの岩崎弘昌理事長らが町教育委員会に届けた。
同グループは、元札幌交響楽団副首席奏者の岩崎理事長が、札幌市内や近郊の若手演奏家らと2008年に結成。道内を中心に生演奏を披露し、20年からは新型コロナウイルス感染拡大の影響により音楽の授業や行事で校歌を歌う機会を失った子どもたちのために、メンバーが演奏し、収録したCD、DVDセットを贈る活動をしている。今年度を含む3カ年で、道内26団体85校に寄贈した。
演奏は歌手による校歌斉唱のほか、楽器のみの演奏を収録した2パターン。歌詞なども記載し、歌唱教材としても使用できるようになっており、厚真町には4校の在校生と4月に入学を控える児童生徒、教職員の分などを合わせ580セットを用意した。
岩崎理事長は「われわれも収録という形で演奏する機会を与えていただき、精神的にきつい状況を乗り越えることができている」と述べ、町教委の遠藤秀明教育長は「学びやや地域の思いが表れているのが校歌ということを改めて認識できた。卒業生には思い出の品、在校生には練習の教材になるのでは。子どもたちに本物を伝えていけたら」と謝辞を述べた。