白老町在住のアイヌ文化伝承者、宇梶静江さんの90歳の節目を祝う会が3日、自身が活動拠点とする町東町のシマフクロウの家で開かれた。宇梶さんが代表を務める一般社団法人アイヌ力(ぢから)や白老アイヌ協会の会員、戸田安彦前町長ら関係者約40人が集まり、今後一層の活躍を期待した。
宇梶さんは浦河町出身。半世紀以上を埼玉県で暮らしながらアイヌ文化発信の活動に携わってきた。白老町には2021年11月に移住し、シマフクロウの家を拠点に支援者の協力で月1回ペースで体験・交流イベントを開催している。
祝う会では町内外から友人らが出席。札幌市在住の石井ポンペさんの発声で祝杯を挙げた。宇梶さんと古くから交流する白老アイヌ協会の山丸和幸理事長は「卒寿を迎えられても新聞や本を読まれ、情報収集に余念がなく学習意欲の高さに頭が下がる。これからもお元気で活躍を」と激励。戸田前町長も「宇梶さんのおかげで白老の名がメディアなどを通じて知られるようになった。大変うれしく思う」と述べた。
宇梶さんは「優しく迎えてくださってから1年3カ月がたち、たくさんの友人に囲まれて誕生日を祝うことができ、ありがたい。これからも仲間と共に生活文化継承や仕事づくりなどに取り組んでいきたい」と話していた。