2011年10月以来11年ぶりの選挙となる白老町長選。これまで投票率が低下傾向にある中、コロナ下での厳しい選挙戦となり、関係者は投票率の行方に注目している。
白老町長選は1954年11月の町制施行から計11回行われた。投票率は、町政初の町長選となった67年の93・5%以降、6回目となる87年の93・1%まで9割台を維持。7回目の95年に86・0%と8割台になった。11回目となる前回選挙の2011年には過去最低の73・9%となり、初の7割台に落ち込んだ。
今回はコロナ下で迎えた初めての町長選。前町企画財政課長の大塩英男氏と前町議の広地紀彰氏=届け出順=の両陣営とも、電話での選挙運動には苦戦している。町民が友人などと電話で約束をして外出する機会が減ったほか、近年高齢者を狙った凶悪犯罪が発生したことで警戒感を強め、知らない番号からの電話に出ないことが多くなっているためだ。
3月上旬は雪解け時期と重なることもあり、両陣営の選対関係者は「天候次第では足元が悪くなり投票に行かない人が増えるのでは」と危惧する。町の65歳以上人口の割合は1月末時点で46・7%と約半数が高齢者。健康問題から投票所に行けない人が出る可能性もあり、投票率について「前回水準か、やや下回るのでは」とみる。
さらに多くの企業・団体が自主投票の方針を打ち出しており、混戦模様に拍車が掛かる。
ただ、他地域より高い投票率を維持している白老町。「4年先までの町のかじ取り役を決める機会。選挙に関心を持ち、納得ずくの一票を投じるべき」と話す町民もいる。町選挙管理委員会は「一人でも多くの町民に投票してほしい」と呼び掛けている。
町選管によると、白老町長選の1日時点の選挙人名簿登録者数は1万4124人。内訳は男性6721人、女性7403人。1日からの期日前投票では、4日午前11時時点で約1割に当たる1551人が投票を済ませた。