2月28日に告示された白老町長選。2日は、5日の投開票日まで折り返しとなった。短い選挙戦の中、前白老町職員の大塩英男氏(51)=無所属=、前町議の広地紀彰氏(49)=同=とも町内各地域で遊説を展開している。街頭では互いに熱く政策を訴え、有権者と固い握手を交わしており、追い込みをかける両陣営の動きを追った。(氏名は届け出順)
草の根運動展開 自分が足を運んで対話 広地 紀彰氏
1月4日の出馬表明から町西部地域の住民を中心とした草の根運動を展開。町内で比較的人口の多い町東部地域を重点的に回り、支持拡大を目指す。告示日の第一声では中高年の女性の姿が目立ち、「町の人口の約半数が65歳以上。皆さんが住み続けられるまちに変えたい」と呼び掛けた。
町立病院改革では医師確保や総合診療科の専門機関との連携を掲げ、病院にも各町内会にも「自分が足を運んで対話し、解決につなげる」と強調する。自家用車を持たない高齢者には「デマンドバスなど公共交通の使い勝手を良くする」と活動人口の増加を促す。
町内の空き家情報を行政で集めて流通を促す政策や放課後児童クラブ無償化もアピール。「人の命も、まちづくりも、仕事と生活あってこそ。白老町が選ばれる町になるためには白老をより元気にすることだ」と支持者に訴え掛ける。
あいさつ回り奔走 将来を見据えた政策を 大塩 英男氏
出馬表明が相手候補より16日遅れた。カバーに向けて経済界の中堅や町役場OBらが続々と加わり、家庭、企業、団体へのあいさつ回りに奔走する。
事務所開きでは町議会議員経験者や現役町議の半数以上が出席。自治労白老町職員労働組合も2月17日に推薦を決めた。
遊説では「皆が手を取り合って共感広がるまちづくり」を強調。「町民の声を町政に反映させる。安心と安全を守る」と地域防災力の向上を訴える。「人口減少対策も急務」とし、子育て世帯は病院窓口での支払いを不要とし、児童の医療費や給食費無償化の政策をアピールする。
選対幹部は「長い将来の白老を本気で見据えた政策を訴える」とし、高齢者には運転免許証返納者への公共交通チケット配布や予防接種の支援、若者には町内就業者への奨学金返還支援などの具体策を挙げる。