むかわ町は27日、2023年度予算案を発表した。一般会計は22年度当初予算比を11・6%上回る92億7300万円。同年度6月の肉付け後予算と比較すると5・1%減となっている。主な事業では、子育て支援対策として0~2歳児保育料の無償化を行うほか、町外からの移住定住促進を図る新たな「くらふる事業」を創出し、子育て世代の新築住宅や中古住宅の購入、リフォーム費用の助成を充実させる。
特別会計、企業会計などを含む総額は22年度当初比で9・7%増の137億430万円。
町は新年度の事業で子育て支援を重点施策の一つに挙げ、22年度中に子育て応援基金を創設し、新年度から0~2歳児の保育料無償化をスタートさせる。さらに運営支援として認定こども園に2億4000万円、地域保育所に2700万円をそれぞれ充てるほか、保育士の確保と就業継続を図るための一時金交付を行う考えだ。
くらふる事業は以前あった制度を大幅に見直して行うもので、民間賃貸共同住宅(1K以上)の建設や子育て世代の住宅取得、戸建てリフォームなどに対して助成する。震災関連では、まちなか再生事業として穂別博物館やその周辺など穂別地区をエリアに現在進めている復興拠点施設等整備にかかるプロジェクトチームの活動を継続するほか、鵡川地区のまちなか再生も視野に入れ、末広団地とJR鵡川駅前広場隣接地を購入する。22年度から準備に乗り出している事前復興計画の策定にも着手する。
このほか、穂別地区の情報通信基盤テレビ設備更新事業を継続。さらに地域おこし協力隊の設置要綱の見直しを図り、受け入れメニューの拡充やインターン制度、関係者間を橋渡しする地域プロジェクトマネジャー制度を活用するなどして、多様な人材が活躍できる環境を整えていく。
その一方で、胆振東部地震で被災し、19年3月に閉館となった穂別地球体験館や胆振東部消防組合消防署の旧鵡川支署などの解体も予定している。竹中喜之町長は「震災からの復興はまだ道半ば。将来の基盤を構築する戦略的な予算編成となっている」と述べた。
町は3月9日に開会する町議会定例会に新年度予算案を提出する。