白老青年会議所(白老JC、米本智昭理事長)の2月例会が20日、白老町大町のhaku(ハク)ホステルで開かれた。同ホステル代表の菊地辰徳さん(47)と気候活動家でモデルの小野りりあんさん(33)が「環境問題」をテーマに講演し、町民ら20人が耳を傾けた。
菊地さんは、学生時代から国内外で環境学に関わってきた自身の経験や環境省の調査などエビデンス(科学的根拠)を示しながら講演。持続可能な開発の定義について「将来世代のニーズ(求め)を損なわず、現世代のニーズ(需要)を満たすこと」と確認し、経済活動と利便性を求める人間性を肯定した上で「将来に負債を残さないために、法規制や技術革新、価値観の転換でどう乗り越えていくか」と強調。考えるヒントの一つとして経済成長や便利さを維持しながら環境負荷を減らしていこうとする概念「デカップリング(二つの価値観を切り離す)」を紹介した。
続いて小野さんは、暮らしの中から環境問題解決に向かうヒントを模索するために「自分のことだけでなく社会的に弱者の立場を強いられている人や先住民の知恵などを借りて視野を広げていくことが大切」と訴えた。活動家の使命として「自分に何ができるのかを考え、自分で行動できる人を増やすこと」を挙げ、「自分から大切な家族や友人、会社の同僚や地域の仲間など、どこまでを見て考えるかで選ぶ行動が変わる」と述べた。
参加者は2人の講演後、2グループに分かれて「環境問題についてまちのためにどんな行動が可能か」をテーマに話し合った。
白老JCの今年のスローガンは「よき祖先 グッドアンセスターとなるために~今、変革のとき」。米本理事長は「長い時間軸でまちづくりを考える上で環境問題は欠かせないのでテーマに取り上げた。スローガンにも沿った内容の例会にできたのでは」と語った。