白老町の地域おこし協力隊員の安田裕太郎さん(27)=観光振興担当=は、町内のポロトの森で撮影したキノコ、粘菌、コケなどの写真を一冊にまとめて発売するプロジェクトに取り組んでいる。植物の世界の面白さを伝えながら、町の魅力を発信するのが狙い。資金はクラウドファンディング(CF)で調達する考えで、趣旨に賛同する応援購入者を募っている。
写真集のタイトルは「Expedition~地球のエッセンシャルワーカーズ」。エッセンシャルワーカーは生活の根幹を支える職業に就く人で、粘菌やコケを森の食物連鎖を支える存在として捉えて紹介する。接写した写真を多用するほか、文章も添え、目を凝らさなければ分からない特徴を分かりやすく伝える。珍しい形状のキノコも取り上げる。
掲載写真は、野田和規さん(25)=森林ガイド担当=が3年ほど前から撮りためていたものと自身が撮ったものを合わせ約1万枚の植物の写真から、コケやキノコに絞って約60枚を選んだ。ページをめくると、白く丸い形で表面に小さな突起物がたくさん付いた「シロオニタケ」、掃除用具のほうきの形に似ている「ホウキタケ」などが現れる。表紙は、ミニサイズのネギ坊主が密集したような姿の「タマゴケ」。
安田さんは「町外の人に白老の良さを伝える際に、本ならイメージを伝えやすいと考えた。通り過ぎる情報としてのデータではなく美しいフォトブックとして手元に残してほしい」と話している。
A5判、114ページでカラー印刷し、200部の発行を予定している。CFは100万円を目標額に1月10日に始めた。2860円~10万円の5コースから選べるようにし、返礼には安田さんが2年の制作期間を経て今年1月上旬に完成させたバスソルトや森林ガイドを用意している。9日時点で45万円が集まり、28日まで実施する。
応援者には5月ごろまでに写真集を届ける予定。問い合わせはホームページ(https://mimoristore.stores.jp/)。QRコードからもアクセスできる。