夏季北海道高校野球大会南北海道大会第3日は5日、札幌円山球場で続開し、トーナメント1、2回戦を行った。1回戦第1試合に登場した鵡川は9―12で立命館慶祥に敗れた。同第2試合は札幌第一が10―0の五回コールドで北海道科学大高に勝利。第3試合の2回戦では、駒大苫小牧と苫小牧中央が激突した。
大会2日目の1回戦第2試合は、札幌大谷が5―4で函大柏稜に薄氷の勝利。同第3試合では、北海が10―1の七回コールドで函館工業に快勝した。
▽1回戦
立命館慶祥
411000060|12
103110102|9
鵡 川
(立)岡田、渡邊―藤川
(鵡)稲葉、西川、佐々木駿、稲葉、佐々木駿―佐々木隼
?稲葉(鵡)
?山崎(鵡)
?柳澤、相馬2、竹下(立)西村、石塚、佐々木隼(鵡)
鵡川が乱打戦に屈した。同点の七回に山崎の適時三塁打で一時勝ち越したが、八回に投手陣がつかまり6失点と逆転された。立命館は計18安打と打線が好調だった。
道科学大高
00000 |0
10801x|10
札幌第一
(五回コールド)
(科)奧、酒井、鈴木―磯崎
(第)山田―布施
?(科)高木、山田、山口(第)
4日
▽1回戦
札幌大谷
030110000|5
000003010|4
函大柏稜
(大)阿部、竹嶋―中川
(柏)奥本―奈良
?鵜野、中川(大)村上、奈良(柏)
函館工業
0100000|1
211420X|10
北 海
(七回コールド)
(工)山崎、福澤、西村―田代、手塚
(北)吉野、岸、木村―大津
?宮下(北)
—諦めず全力プレー、全道初勝利は後輩に託す
両チーム合わせて30本もの安打が飛び交う乱打戦で必死に食らい付いた鵡川。昨年秋の全道大会で果たせなかった円山1勝はまたしてもかなわなかったが、試合を終えて阿部主将(3年)は「最後まで諦めずに戦い抜くことはできた」と語った。
序盤に大量リードを許したが、三回の稲葉(3年)の3点本塁打をきっかけにじわりじわりと点差を詰めた。一時は勝ち越しにも成功。異例の真夏の戦いに向けてチームは突き進み、鬼海監督は「これだけの打力を身に付けてくれた」と目を細めた。
ただ、警戒していた立命館打線の猛攻をエース稲葉、西川(2年)、佐々木駿(同)の継投をもってしても食い止められなかった。「投手交代のタイミングが悪かった自分の責任」と監督はかばった。
3年生は入学した2018年に北海道胆振東部地震で被災。翌年秋の支部予選で駒大苫小牧を下し道大会に進むなど、集大成の今季に大きな希望を抱いたところで新型コロナウイルス禍が起き、夏の甲子園中止に見舞われた。このたびごとに苦境に立ち向かい「チーム全員で乗り越え人間として成長することができた」と阿部主将。
この試合で同点スクイズや勝ち越し打など3打点と活躍した山崎(2年)は「すごく頼もしい先輩たちだった。自分たちも後輩の手本になれる選手になっていきたい」。チーム鵡川の意志を受け継ぐ決意をにじませた。