60歳以上のメンバーで構成する軟式野球の苫小牧シニア倶楽部がこのほど、苫小牧市少年野球場で還暦・古希親善試合を催した。新型コロナウイルスの影響で中止になった公式戦の代替イベントとして企画。来市した還暦の室蘭どりーむファイターズ、室蘭レッドホエールズ、古希の室蘭マスターズといぶし銀の好プレーが見せ場をつくる熱戦を繰り広げた。苫シニア倶楽部の渡辺徹代表(71)は「競技仲間の協力や理解もあって実現できた。最高です」と顔をほころばせた。
還暦、古希の各年代大会は例年、6月の北海道選手権を皮切りにシーズンが開幕するが、今年度は新型コロナの感染拡大防止の観点から全道、全国級の公式戦がすべて中止となった。例年なら今月上旬にかけて、苫小牧、室蘭、函館の還暦チームが道選抜大会進出の切符を懸けた道南リーグで火花を散らしているはずだった。
渡辺代表は「何とか本番に近い形で試合がしたい」との思いで、情勢に落ち着きの見えた6月中旬、近隣の還暦チームに親善試合による交流を打診。昨秋結成した70歳以上の苫シニア倶楽部古希チームのデビュー戦も企画し、室蘭勢3チームから快諾を得た。
三つどもえとなった還暦部門は、道選手権4連覇中の苫シニア倶楽部がどりーむファイターズに3―0、レッドホエールズに5―0と2連勝した。エース左腕の谷澤康則(71)は「こういった形でも試合ができて良かった」と満足げ。どりーむファイターズ監督で社会人野球新日鐵室蘭の元エースだった戝前純二さん(71)は「6月からやっとチーム練習を始めたばかりで、対外試合も組めなかった。とても楽しく試合ができた」と感謝した。
オーバー70歳の古希部門は、苫シニア倶楽部が初陣に臨み、2012年結成の室蘭マスターズに5―3で逆転勝ちした。1点リードを追った最終六回2死から7連打して一挙4点と打線が爆発。この試合3打点と大活躍だった渡辺代表は「白熱したいい試合になった」と喜ぶ。「どんな形式であれ、対外試合になると選手たちの目つきが違って生き生きしている。今後も室蘭や近隣チームと協力しながら、なくなった公式戦の代わりになるものを企画していきたい」と意気込んでいた。