心の叫び

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年7月10日

 あの子が生きていれば、今ごろどんな女性になっていただろう。もう20年以上たつけれど、女子中学生が列車に飛び込んだ熱い夏の日をふと思い出す。

 学校でいじめを受けていた。耐えきれず教室を飛び出した。泣きながら線路の方へ歩く姿を見た人もいた。仲間外れ、誹謗(ひぼう)中傷と、中学に入っても執拗(しつよう)に続く悪質な行為。誰も救ってくれず、絶望した。

 悲痛な心の叫びを受け止める者は周囲にいなかったのか。取材で自殺現場に転がっていたあの子の運動靴を目にし、やるせない思いに駆られた。

 登別市の男子中学生が6月に亡くなった。自宅アパートの上から飛び降りたとみられている。他の生徒にからかわれていたこと、体調不良で駆け込んだ保健室で人間関係の悩みを漏らしたことが学校側の調べで分かった。校長は「誰も気付いてやれなかった」と悔やんだが、いじめ被害が疑われる今回の事例もSOSの見逃しがあったとすれば、子どもの悲劇を繰り返してきた社会、教育現場は何を学んできたというのか。

 相手をとことん苦しめて楽しむような心の闇はどこから来るのだろう。いじめに遭う児童生徒が自らの夢を諦め、人生を閉じてしまう行為が後を絶たない世の中など尋常とは言えない。学校任せでなく、社会全体でSOSへの感度を高め、再発防止へあらゆる手立てを尽くさねばなるまい。(下)

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