―ウポポイで働くきっかけは。
「高校卒業後に旧アイヌ民族博物館に就職し、アイヌ文化に初めて関わりました。私はアイヌ民族の血が入っているわけでもなく、アイヌ文化を深く知らずに育ったので、何か強みというか得意なものを―と、先輩から歌や踊り、楽器の演奏、刺しゅうや着物の仕立てを教わってきました。ウポポイでも自分が学んできたことをお伝えしたいです」
―どのような準備をしてきましたか。
「私は楽器のプログラムを担当します。この2年間はムックリ(口琴)などの楽器をじかに触れて演奏したり、制作したりするプログラムを検討してきました。いかに楽しい気持ちになってもらえるかを考えてきました」
―アイヌ文化を伝える上の苦労や工夫は。
「新型コロナウイルス感染症対策で、開業当初はこれらプログラムを変えて、楽器の説明や演奏、口琴の種類を紹介するなどのプログラムを準備中です。例えば楽器演奏でどのように聞こえるかは、聞いていただいた方に委ねますが、自分の感情や自然を表現します。旧博物館と変わらないこともあって懐かしむ方もいると思いますが、変わってきているアイヌ文化を感じていただけたらと思います」
―ウポポイで自分が伝えたいこと。
「私はずっと地元で過ごしてきて、アイヌ文化に触れたのは地域学習だったので、勤めてから知ることが多くありました。今ウポポイの中ではアイヌ語がどんどん飛び交う環境を目指し、スタッフの中では公用語の一つとして、一人一人にポンレというアイヌ語のあだ名を付けています。身近にある文化なのに気が付く、知るきっかけがないのであれば、まずウポポイに来ていただきたいです。これから自分たちが行うことで、アイヌ文化をまだ知らない人たちが、興味を持つきっかけになればうれしいです」