苫小牧市内の剣道道場は1日、防具の面などを付けた対人稽古を再開した。全日本剣道連盟(全剣連)のガイドラインに沿って、面の下にフェースシールドを着用。徹底した新型コロナウイルス対策の下で、門下生らは試合などの実戦を想定した練習に打ち込んでいる。
市内の道場では、2月下旬から新型ウイルスの感染防止のため面を付けた対人稽古を自粛。練習は素振りや筋力トレーニングに限られてきた。
苫小牧剣道連盟は、6月上旬に開いた理事会で今月からの対人稽古再開を決定。全剣連が6月に発表したガイドラインに準拠する形で、面に固定できるフェースシールドを装着した上で、手拭いで作られた「面マスク」や市販のマスクなどを着用する2重の対策の徹底を市内の道場に求めている。同連盟の加茂徹也理事長は「感染者を出さないことが重要。息苦しいとは思うが、少しずつ慣らしていってほしい」と話す。
小中学生15人が在籍する沼ノ端剣輪道場は1日、苫小牧市総合体育館で行った稽古で、対人の練習を約4カ月ぶりに行った。門下生らは、フェースシールドを取り付けた面と「面マスク」などで口元を覆って練習に臨んだ。向かい合って面を打つなどの練習を約1時間行った。
久しぶりの対人稽古を終え、同道場の鮭川竜之介(沼ノ端中2年)は「シールドとマスクが2重になり息苦しかった」としながらも、「久々に面を付けた練習ができてうれしい」と声を弾ませた。佐藤徹典指導員は「子どもたちが面を付ける姿を見られてよかった。今後は慣らしていきながら対戦型の稽古も少しずつやっていきたい」と話した。