豊かな自然は残して 風力発電事業に関する公聴会  ― 道 ―

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  • 2025年1月20日
9人の公述人が意見を述べた公聴会

  道は18日、厚真町の厚南会館で、Daigasガスアンドパワーソリューション(大阪市)が町浜厚真地区と苫小牧市で計画する風力発電事業に関する公聴会を開いた。事前に申し込んだ9人が公述人として、計画に対する意見を道職員が務める議長に述べた。

   同社は2024年8月、同事業が実施された場合の環境への影響を調査し、予測・評価した環境影響評価準備書を作成したが、内容に不備があったことが明らかになっている。

   公聴会は、同準備書について道が経済産業相に意見するに当たり、環境保全の見地から公述人の意見を聴取するため、道環境影響評価条例に基づいて開催した。

   町民を中心に17人が傍聴し、公述人が述べる意見には、同社の計画について反対や慎重な姿勢を取るものが目立った。環境団体に所属する女性の公述人は「豊かな浜厚真の湿地は生物多様性が保たれている。未来の子どもたちに残してほしい」、1次産業に従事する男性の公述人は「騒音や低周波が心配。暮らしやなりわいに影響が出るので、東側エリアの風車5基の建設に反対する」と述べた。

   道は、公述人の意見などを環境影響審議会の資料とし、同審議会の答申を受けて3月、経済産業相宛に意見を出す方針。

   同社は、厚真町と苫小牧市に最大10基の風車を設置する風力発電事業を計画。最大出力は3万4390キロワットと想定し、施設の着工は26年3月、運転開始は28年4月に予定している。

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