有馬記念も終わり、2024年も残すところ4日となった。JRA中央競馬は28日が今年最後の開催で、1年の合計数値などで争われる各種ランキングもほぼ様相は固まってきた。馬産地にとって最も気になる種牡馬の順位を振り返ってみる。
「競馬はブラッドスポーツ」。競馬に興味を持った人なら、こんな言葉を聞いたことがあると思う。Blood=血、血統。サラブレッドを生産する過程で強い馬をつくるために血統が重要な要素の一つになることから、そう呼ばれている。もう一つ、スポーツというからには、勝敗や順位が決められる。競馬の順位は多種多様。騎手や調教師では、年間トータルなど一定期間の勝利数を競うリーディング。競走馬ではレースの着順はもちろん、総獲得賞金で歴代の名馬の順位もまとめられている。
サイヤーランキングという部門がある。サイヤー=種牡馬のことで、産駒の総獲得賞金によって順位づけられる。24年は中央競馬と地方競馬総合で1位から612位まで順位づけられている(24日現在)。24年1年間に限れば国内で供用された種牡馬は270頭余りだが、すでに種牡馬を引退した馬でも産駒が現役で走って賞金を獲得していればランクインするので、612頭もの種牡馬が登場するわけだ。
中央競馬は28日、地方競馬は31日まで開催があるが、総合1位をほぼ確実としているのがキズナ。24日現在での産駒の総獲得賞金は47億2069万1000円で、2位ロードカナロア42億3584万円に約4億8000万余りの差をつけている。29日の大井・東京大賞典(1着賞金1億円)にロードカナロア産駒が1頭出走を予定しているが、この差は大きい。
キズナの産駒で、24年に重賞を勝った主な馬にはジャスティンミラノ(皐月賞他)、シックスペンス(毎日王冠他)、ジューンテイク(京都新聞杯)、クイーンズウォーク(ローズS他)、エリキング(京都2歳S)などがいる。23年はJRA2歳部門で1位になっており、順調に成績を伸ばして総合1位を目前にしている。ロードカナロアは昨年1位かと思われたところ、終盤にドゥラメンテに抜かれ2位だった。3位エピファネイア、4位ドゥラメンテ、5位ハーツクライが続く。いずれも安平町の社台スタリオンステーションに繋養されている。年が明けると間もなく交配シーズン、繁殖牝馬を乗せた馬運車の往来が活発になる。
(フリーライター・大滝貴由樹)