1月末から2月にかけ、苫小牧市で国民スポーツ大会(国スポ)冬季大会「とまこまい国スポ2024」が開かれた。国民体育大会(国体)から国スポに名称が変わって初めての大会。18年ぶりとなる氷都・苫小牧を舞台にした大会には、全国から1700人を超える選手や役員が集結し、大舞台で熱戦を繰り広げた。
フィギュア競技の少年女子では、苫小牧で当時中学3年の岩本愛子選手が4位に入賞した。フリーの演技では、ピリッと張り詰めた会場の雰囲気にのまれ、実力を発揮できなかった選手も多くいた中、岩本選手はほぼミスのないスケートで堂々の4位入賞を果たした。演技後のほっとしつつ、充実感をかみしめているような表情が印象的だった。
ショートトラック競技では、直前の地震で被災した石川県から出場した選手もいた。金沢市在住で大きな被害はなかったとしながらも「被害に苦しんでいる人に、国スポを通して明るく前向きなニュースを届けられるよう頑張りたい」と強い思いを背負って大会に臨んでいた。
少年の部で21連覇、成年の部でも8連覇を成し遂げたアイスホッケー競技。2006年の前回大会に石川県代表選手として出場した記者にとって、競技人生を振り返るきっかけとなった。地区でしのぎを削った仲間たちと協力し、勝利の喜び、敗戦の悲しみを分かち合った。
1946年に始まった国体。調べると、国民スポーツ大会へと名称が変わったのはスポーツの価値を世界の人々と分かち合い、社会変革に向け世界各国と協調していくため、世界で広く用いられる「スポーツ」の語を用いるためという。スポーツを通して得られる楽しみや情熱、協和の精神が今後も世界に平和をもたらすと信じたい。
(松原俊介)