【モービル(米アラバマ州)時事】米女子ゴルフツアーの最終予選会が10日に終了し、馬場咲希が24位に入って来季の出場権を獲得した。
通過ラインに1打足りず迎えた最終18番。約8メートルのバーディーパットが、「入れ、入れ」という熱望を乗せてカップに消えた。涙が止まらない。「最後にバーディーパットを入れた瞬間にやっと終わったんだって…」。長丁場の90ホール目まで粘り続けた末に重圧から解き放たれ、安堵(あんど)感がこみ上げた。
2022年に全米女子アマチュア選手権を制覇。昨年の米ツアー予選会で出場権を逃し、今季は米下部ツアーでプレーした。親やコーチが帯同しない孤独な旅は、長く厳しいものだったという。「すごくつらいことばかりだった。LPGA(米女子プロゴルフ)に行きたいという気持ちをずっと持ち続けることが、最後まで諦めずにプレーすることにつながった」。大望だけが心の支えだった。
小学生の頃から憧れ続けた舞台へ、扉がようやく開いた。「今回はいい経験。心が折れかけたところで最後に(通過した)、という感じ。通ったからにはやるしかない」。苛酷な環境でたくましさを増した19歳が力強く宣言した。