アルバイトと「ご褒美」 中岡(なかおか) 伊知朗(いちろう)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年12月12日

  昨今、少子高齢化などの影響で人手不足が続いていますが、コロナ禍を経て採用現場は大きく変わりました。WEB(ウェブ)面接などのITツールの進化や採用代行サービスなどの新しい手法が活性化し、働き手側からするとやりたい仕事を探しやすい環境になってきていると感じます。

   私の学生時代はまだインターネットが無かったので、応募ツールとしてはアルバイト情報誌か友人からの紹介くらいしかありませんでした。最初のアルバイトは、札幌円山球場外野席でのドリンクの売り子でした。真夏の巨人戦で観客は超満員でしたので、飛ぶように売れましたが、ご存じの通り外野席は芝生席です。傾斜の上り下りだけで体力を使う上、ドリンクは全て瓶入りだったため、首から下げる立ち売り箱は結構な重さで、終わった時は汗と泥まみれだった記憶があります。でも、合間に試合観戦ができるという「ご褒美」もあったので、良い思い出になっています。

   次にやったのはフグ料理店のスタッフです。当時はまだバブル期の余韻が残っていて、お店は毎日混雑していました。週5日、1日6時間、ホールとキッチン両方をやっていましたので、結構な疲労感がありましたが、ここも月1回フグ料理が食べられるという「ご褒美」がありました。

   今は時代が違いますので、そういう「ご褒美」はあまり無いかもしれません。最近はアルバイトに関するさまざまな「リスク」も指摘されているので、アルバイトを選ぶ時にはしっかりとした情報収集が必要な時代なのだと思います。

  (苫小牧信用金庫人事部長)

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