リーダー

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年12月7日

  リーダーのありようを考えさせられる。世論調査などで「次期首相」の期待値が高かった石破茂さんは、首相に就いた直後から変節が指摘されている。党内基盤が弱いためだ。政治改革も夫婦別姓もアベノミクスの評価も、ことごとく手のひらを返せば、らしさはない。総理大臣になりたかっただけの”つまらない政治家”ではないと思いたいが。

   海の向こうでは、退任を控える大統領が銃の不法所持などで有罪となった息子に恩赦を与えた。次の大統領は未成年者買春疑惑のあった人物を司法長官にしようとした。安全保障の枠組みを揺るがす発言も繰り返し、世界に動揺を与えている。隣国では政権が行き詰まった大統領が一時強権を発動した。道を誤った。

   国のトップは内外ともに不安だが、地域に目を転じればまちの新たなリーダーを今まさに選ぶ時。急な選挙だけに立候補者には十分な準備の時間はなかった。個人的には当面する課題以外に5年、10年先のまちの青写真を聞きたかった。両候補が重視する若い世代こそ将来を展望できる政策に心を動かす。あす選ばれるリーダーはぜひ、夢のあるビジョンを議会やまちかどで示してもらいたい。

   負託の重さが政治姿勢に緊張感を与える。票を投じて、意思を示そう。(司)

過去30日間の紙面が閲覧可能です。