苫小牧うぽぽ会長 佐々木義春さん(68) 若い力応援する 「格好だけ」は駄目

  • アイヌ民族 ウポポイを思う, 特集
  • 2020年5月14日

 「ウポポイ(民族共生象徴空間)ができることで若い人がアイヌに興味を持ち、文化を伝えようとしてくれている。それだけでもとてもありがたいこと」

 アイヌ文化を伝承する団体「苫小牧うぽぽ」で先頭に立って活動。ウポポイへの期待は、いやが上にも高まる。後継者を育てる大変さを日頃から実感しているだけに、若い人材が集まるウポポイを応援する気持ちは強い。

 1996年に同団体を設立。アイヌ民族の舞踊の伝承、民具の復元、製作などに取り組んできた。苫小牧市矢代町の生活館にメンバーが集まり、木製の生活用具などを手作り。年1回の作品展は市民にも親しまれている。アイヌ刺しゅうの着物やアイヌ文様を施した短刀などで人目を引きつつ、生活に根差した道具を丁寧に紹介してきた。

 現在、各地で行われている儀式は「まるで見せるための格好ばかりを気にした儀式。『格好だけアイヌ』のものもあるのでは」。子どもの頃、穂別(現むかわ町)の祖父母宅で行われていた「儀式」を思い出す。「お菓子がもらえる」と楽しみだった。離席しても文句を言われるわけでもない。厳かに座り続けた記憶もない。

 アイヌの精神文化を後世に残すため、あえて厳しい言葉を投げ掛ける。地道に向き合ってきただけに、ウポポイのきらびやかな宣伝などには違和感を覚える。「観光だけ、金もうけだけの施設にしてはいけない。事実と懸け離れたアイヌを見せるようではいけない」と警鐘を鳴らす。

 根底にあるのは先住民族としての誇り。98年からニュージーランドを不定期で訪問し、先住民のマオリ族と交流を深めてきた。苫小牧市とネーピア市が姉妹都市という縁もあって、活発に行き来するように。学校などでの民族舞踊披露などを通じて、「子どもたちに伝えることの大切さ」を再確認してきた。

 マオリが足で地面を踏みならしたり、手で胸をたたいたりする「ハカ」の力強さなどに「おしめをしているような子どもまで、マオリであることに自信を持っている」。そんな姿に強く感動し「小さいうちから見て、聞いて、触って、体験することが必要。アイヌ文化も一回でも触れてもらえれば心に残る」と実感した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で開業が当面、延期となったウポポイについては「延期でできた時間を使って、準備をさらに充実させてほしい。オープン時は世界各地の先住民代表を呼ぶのもいい。誰の何のための施設なのか、みんなが考える機会になれば」と願う。

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