むかわ町 感染拡大防止へ独自施策 高齢者や妊婦にマスク配布 飲食店の宣伝費用補助 

  • ニュース, 新型コロナ, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年5月9日

  新型コロナウイルス感染拡大による国の「緊急事態宣言」延長を受けて、むかわ町は大々的な独自施策を打ち出した。町内の施設を利用するなどして庁舎内の分散勤務を徹底するほか、重症化リスクの高い75歳以上の高齢者や妊婦を対象にマスクを配布するなどして感染拡大の防止に注力する。飲食店などに向けた経済対策も自粛から収束後まで切れ目なく支援していく考えだ。

   町は役場庁舎内での飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、4月下旬から本庁舎と穂別支所の各課窓口に厚手のビニールプレートを設置したほか、職員の一部を庁舎内の会議室に移動させて業務に当たらせるなど対策を取る。週明けからは四季の館や町民センターの一室も借り上げし、職員をさらに分散させるなど3密を防ぐ。

   また、75歳以上の高齢者(1700人分)や妊婦(40人分想定)など感染リスクの高い町民に対し、1人につきマスク10枚を配布する考え。図書館や図書室の再開に合わせて返却図書用の除菌消毒機器も設置する。

   経済面でも客足が落ち込む飲食店の支援として、すでに料理の出前や持ち帰りサービスを宣伝する際のチラシ製作費や新聞折り込み費用などを補助する方針。経営の側面でも道の休業要請対象のスナックやカラオケボックス、パチンコ店など法人、個人事業所、午後7時以降の酒類提供自粛を受けた料理店、居酒屋などへ道の支援とは別に一律20万円を支給する取り組み(道の支援を受けない飲食店も同様)もスタートさせた。

   このほか、地元事業者の経営持続化を図るため、今後販売促進や感染拡大防止策を段階的に支援。収束のタイミングを見極め、胆振東部地震からの復興と抱き合わせて、現在中断しているまちなかにぎわい創出事業の開催や商工会プレミアム商品券を発行するなどして、コロナショックからの回復に努める取り組みを推進していく。

   町は国や道との連携を強めながら「感染予防や地域経済対策など、町民の命を守る各種態勢づくりに全力で取り組んでいく」としている。

  ■新型コロナウイルスに係るむかわ町独自の主な取り組み

  ▽本庁・総合支所庁舎執務の分散化=130万円

  ▽高齢者特別対策(75歳以上、ハイリスク者へのマスク配布)=125万円

  ▽母子健康に係る特別対策(妊婦へのマスク配布)=2万円

  ▽消毒液購入・啓発経費(チラシ、折り込みなど)=81万円

  ▽図書館・図書室の衛生対策(除菌消毒機器の購入)=63万円

  ▽飲食店出前・持ち帰り商品PR=100万円

  ▽飲食店等経営支援=1100万円

  ▽地元産業経営持続化支援=3000万円

  ▽まちなか復興にぎわい創出=2000万円

過去30日間の紙面が閲覧可能です。