苫小牧市スポーツ協会に加盟するスポーツの競技団体が毎年春に開く総会は、その多くが新型コロナウイルスの影響で中止に追い込まれている。今季の地区大会日程も国、道レベルの上部組織主管の大会日程が決まらないため、時期未定も含めた延期が多数発生中だ。事態の収束が見通せない中、いずれも新年度は多難な船出となった。
室内系のスポーツは現時点で大会中止が相次いでいる。苫小牧剣道連盟は4日に総会を開催した。出席者の座席間隔を広く取り、開会前には手のアルコール消毒を全員で行った。昨年度の事業報告や決算報告、今年度の予算、事業計画を承認し、約40分間で議事を終えた。
同連盟は4~5月に予定していた大会を中止した。田中真人事務局長は「総会の開催すら危うかった。今後の大会についてもいつ再開できるか全く分からない」と不安を口にした。
苫小牧卓球連盟は、3月上旬に小学年代大会の中止と一般向けの全道級大会レディースオープンの延期を決定。今月上旬に開いた緊急の理事会で、さらに3大会の中止や延期を決定した。
今年度は大規模大会の主管はなかったものの、2021年度に道中学大会とカデット(中学2年生以下)部門の道選手権、翌22年度には全国中学大会の苫小牧開催が内定していた。新型コロナの情勢次第でこれらの日程が変更になる可能性もあり、青木一茂事務局長は「見通しが立たず混乱している」と嘆く。
苫小牧地区バドミントン協会も総会を中止した。大会日程や予算は書面回答で承認し、5月末までの大会中止も決めている。
苫小牧バレーボール協会は総会をやめ、道協会が3月31日付で各加盟団体に通達した5月の大型連休までに予定していた大会の自粛要請に応じて中学、高校年代の春季大会を中止した。
施設の会場に伴って春から初夏の大会が本格化するはずだった屋外系のスポーツ団体も動くに動けない状況は変わらない。苫小牧陸上競技協会は日本陸連などが4~6月の各種イベントを中止したことを受け、6月までに予定していた記録会などを中止した。
苫小牧地区サッカー協会は11日に予定した総会を取りやめた。今年度、役員改選期を迎えていたが、現体制留任の方向を固めた。今年度事業計画などの議案は理事らに郵送され、28日までに書面で回答を受ける形で議決を行う。決定した今年度の大会日程などは同日以降にも発表する予定だ。
北海道軟式野球連盟苫小牧支部は臨時の理事会を開き、役員改選を行って最上誠司新支部長を含め、計8人の新任を承認した。最上支部長は「新型コロナの影響で大変な事態だが、役員と所属チームが力を合わせてこの難局を乗り切りたい」と語った。