都市総合開発・シンコースポーツ北海道コンソーシアムは、苫小牧市のアブロス沼ノ端スポーツセンター=北栄町=を指定管理してから4月で1年を迎えた。ボイラー設備法定点検と新型コロナウイルス感染予防による休館措置が重なった3月の利用者数は皆無だったものの、2月末時点で、昨年度を4703人も上回る16万7507人となった。利用者の使いやすさに配慮した営業時間帯変更や改装が奏功。大江俊彰館長は「これからも満足度を高めるため、施設サービスの向上を目指していく」と意気込む。
全長25メートルの水泳プールや運動ができるスペースも備えた苫小牧東部のスポーツ拠点として、2010年に完成した。翌年度には早くも年間利用者数が10万人台に達し、毎年1万人近い増加を見せてきた。
一方で、市が各公共施設を評価するモニタリングでは、15年度に「B」から「A」に昇格したものの、16年度から再び「B」に下がっていた。
大江館長はアブロス日新温水プール=日新町=で副館長、館長を歴任。日新―は16年度に当時の市の人口を超える17万6012人の利用者数を達成。18年度に19万4000人以上が足を運ぶなど、モニタリングも3年連続で「AA」評価を受けてきた。「指定管理をやるからには日新―を超えたい」と改革に当たってきた。
最初に取り掛かったのは、仕事帰りの社会人が気軽に利用できるよう平日の閉館を従来の午後9時から同10時に1時間延長した。さらに手狭になっていたトレーニングルームの配置器具を再編。旧研修室や多目的ホールも使って有酸素系用と筋力向上用の2系統を分けて配置し直し、利用者から好評を得た。
スポーツ教室の企画として、自転車タイプの器具使ったフィットネス、プールを活用した年代別水泳教室など利用者のニーズを捉えた自主事業も多種類展開。この間、施設を活動場所にしている水泳クラブ「アブロス沼ノ端スイミングクラブ」所属の小中高校生からは1年足らずで延べ8人の全国大会出場選手を輩出する実績を上げた。
今年2月に実施した利用者アンケートには、「講座が増えてうれしい」「スタッフの対応も素晴らしい」など好意的な声が集まった。
大江館長は高評価を受け止めながら、「真価が問われるのはこれから。市東部には、まだ潜在的な利用者さんがたくさんいる」と話しており、施設運営の改善を今後も続けていく考えだ。