厚真町の特産品「厚真産ハスカップ」が、特許庁から地域団体商標に登録されたと、北海道経済産業局が8日に発表した。同局によると、登録は10月22日付で、道内では42件目。町や町内農業者らがハスカップのブランド化や魅力向上を進めてきており、関係者から喜びの声が上がった。
地域団体商標は、地域ブランドを適切に保護することで事業者の信用維持や地域経済の活性化を図ることを目的に2006年4月に導入された。地域に根差した団体の出願であることや一定の地域に知られていることなどの要件を満たした場合に認められる。同局は23年度の地域ブランド確立促進支援事業を通じて、厚真産ハスカップのブランド化に向けて支援を行った。
厚真はハスカップの作付面積日本一で、生食のほか、ハスカップソフトやゼリー、菓子など幅広く商品化されている。町内のハスカップ農園ではハスカップ狩りも楽しめる。
町内の生産者や事業者、消費者、有識者など関係者が15年6月に厚真町ハスカップブランド化推進協議会を設立。17年度に厚真産ハスカップブランド化推進協議会となり、町ハスカップフォーラムの開催など厚真産ハスカップの知名度向上や販売促進に努めてきた。とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域)は16年2月に出願し、18年9月の胆振東部地震や20年以降のコロナ禍の影響を受けたが、地域ブランドとして認められた形となった。
同協議会の山口善紀会長は「協議会設立時からの目標だった。登録まで8年かかったが、長年の悲願であり、ほっとしている」と喜ぶ。JAとまこまい広域そ菜園芸課の小寺裕則課長は「なかなか登録されず苦労した。ハスカップの知名度向上につながってほしい」と話した。