北海道栄高陸上部の三浦徹大(てった)=上川管内東神楽中出=、同駅伝部の小野隆一朗=釧路管内白糠中出=が4月から関東の強豪大学にそれぞれ進学する。男子八種競技で全国級大会制覇を達成した三浦が日本大。昨年12月の全国高校駅伝競走大会(京都市)1区4位の小野は帝京大に決定した。共に新たなステージでの飛躍を誓い、北国から巣立つ。
「周りのサポートがあってこそ陸上を続けることができた」と3年間を振り返ったのは三浦。トラック、フィールド上で「走」「跳」「投」の各種目を行い、得点を競う唯一の混成競技選手だった。昨年11月に挑んだエブリバディ・デカスロンin愛知高校男子八種競技で5568点の北海道高校新記録をマークして優勝したが、意外にも自身のハイライトには同年8月の全国高校総体(沖縄県)を挙げる。
5種目を終えて暫定首位になりながら、続く苦手2種目で大きく失速して総合12位に終わる悔しさを味わった。ただ、午後8時近くに行われた最終種目の1500メートル。「徹大さん頑張れー」と部員全員が観客席から声をからして応援してくれた。「独りじゃないんだと実感した。とてもうれしかった」と笑顔を見せる。
進学する日大には、十数人の実力ある混成選手が在籍。大学生となって棒高跳び、円盤投げの2種目が加わる十種競技に主戦場が移行する。「高校生だったとき以上に覚悟を持って取り組みたい」と意気込む。
一方の小野は、今年1月の東京箱根間往復大学駅伝競走総合4位につけ、「ファイアーレッド」と例えられる赤が基調のたすきとユニホームの帝京大の門をたたく。「チームはどんどん強くなっているイメージ。自分も貢献したい」と力強い。
進学先で大きく展開しそうな伸びしろを秘める。昨年は、11月の道外トラック記録会男子1万メートルで道高校記録を30秒以上更新する29分16秒36をマーク。続く12月の全国高校駅伝では花の1区10キロで日本人歴代5位となる28分55秒をたたき出して注目された。今年1月の都道府県対抗にも道代表の一員として出場。全国の強豪ランナーと互角に渡り合ってきた。
高校入学時から度重なるけがに苦しみ、「やめたい」と親や指導者に相談したこともあったが、多くの支えが成長の原動力になった。高校で競技を終えるつもりだったが、自身の可能性に懸けようと決心。目標は大きく出雲、全日本、箱根の大会名称を挙げ、「大学1年目から3大駅伝を走りたい」と意気込む。