民具にこもる魂

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年2月18日

 平取町二風谷にアイヌ文化研究家の故萱野茂さんが1972年に開設したアイヌ資料館がある。祖先の暮らしの証しを散逸させまいと、自身が生涯をかけて集めた民具を収蔵した小さな施設だ。建物は古くて狭いが、アイヌ民族が使った食器など生活用具や着物、祈りの儀式で祭壇に飾ったイナウなど信仰道具が所狭しと展示してある。国指定の重要文化財も多いが、並べ方は雑然。しかし、展示物との距離の近さもあってか、民具にこもった民族の魂や人間臭さが感じられ、引き込まれてしまう。これほど魅了されるのは、人が連綿とつないだ営みのにおい、息づかいも含めて、今も生きる文化として残したいという萱野さんの本気の思いが詰まっているからなのだろう。

 白老町で4月に開業する民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館は、アイヌ文化をどこまで伝えることができるのだろうか。建物は高級ホテル並みに豪華。展示室に民具をきれいに収めるための高そうなガラスケースが並ぶ。施設の立派さと近代的設備に目が引かれるものの、果たして民族の魂に生々しく触れられる空間となり得るのかと、取材で訪ねるたびにそう思う。開業まであと2カ月余り。関係者の準備も本格化している。ウポポイは日本の先住民族文化の復興と発信を担う拠点だ。その役割を発揮するため、どう運営し肉付けするか注目したい。(下)

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