苫小牧市内のスイミングクラブに所属する堀葵(和光中1年)=アブロス沼ノ端=、水谷くるみ(錦岡小4年)=同日新=がこのほど、札幌市内で開かれた水泳大会で好泳し、全国JOCジュニアオリンピックカップ春季大会(3月、東京都)出場権を獲得した。堀は2大会連続、水谷は念願の初舞台。本番に向け、自己記録更新、挑戦種目増加を目指し、猛練習の日々を送っている。
25メートルプールの短水路が舞台となるJOC春季大会。男女、年齢、泳法、距離別の種目ごとに標準記録が設定され、突破した選手のみが参加できるハイレベルな一戦だ。
堀は札幌の水泳大会女子100メートル平泳ぎで1分12秒33をマーク。同種目13歳区分のJOC標準記録を0秒18上回った。昨年12月の登別開催大会で、標準記録に10分の2秒まで迫っていたこともあり「焦らず大きく水をかくことを意識した。狙い通りのタイムが出せた」と笑顔を見せる。
昨年8月のJOC夏季大会(東京都)=50メートル長水路=女子11~12歳50メートル平泳ぎで6位入賞。同100メートルでも予選9~16位が挑むB決勝に残るなど、中学生になり一気に飛躍した。ただ、夏季大会後に年齢区分が一つ上がり、標準記録は一段と厳しくなった。
一時的にタイムが伸び悩み「焦りもあった」と振り返るが、課題のスタート時の飛び込みや小刻みになっていた手の動作を大きくかくように修正したことで、今冬から再び上昇気流に乗った。23日に控えるJOC道予選(札幌市)で200メートル平泳ぎでも標準記録突破を狙う。「後半の100メートルを粘って、一発で全国を決めたい」と意気込む。
一方の水谷は、女子50メートルバタフライで夢にまで見た全国大会挑戦権を射止めた。札幌の水泳大会では、10歳区分の標準記録を100分の8秒上回る32秒12。スタートの反応が思いの外悪く、前半の25メートルこそ「心配だった」とはにかむが、得意にする後半で巻き返した。「すごくうれしい」と喜びを爆発させた。
「自信を持って泳げていた」と今丈朗担当コーチは目を細める。昨年12月に標準記録に0秒63まで迫り、そこから練習時の設定タイムを厳しくしたほか、メニュー本数や距離も増やし、泳力向上にさらなる努力を重ねた。「つらかったけど、それで自信が付いた」と水谷は胸を張る。
大きな舞台になればなるほど、重圧よりも楽しさが勝る強心臓の持ち主でもある。見据える全国大会は、「31秒台を出して(予選9~16位までの)B決勝には残りたい」と力強い。今コーチは「全国に行った方が、より気持ちが高まるはず。今から楽しみ」と教え子のさらなる成長を期待した。