第5回全日本選抜少年野球U12チャンピオン大会は8日午前、兵庫県淡路市の佐野運動公園野球場などで開幕した。北海道から出場している苫小牧選抜はオール江津ジュニア(島根)に9―1の五回コールドで勝ち、2回戦に駒を進めた。
試合に先立って行われた開会式では出場チームを代表して苫小牧選抜の福澤旬主将(沼ノ端ジェッツ)が選手宣誓の大役を務め、「環境が素晴らしい場所で野球ができることに感謝します。今まで学んできたことをこの大会ですべて出し切り、少年野球最後の大会で最後まで諦めず全力でプレーすることを誓います」と高らかに宣誓した。
同大会は、全国各地の予選突破と開催地枠を含めた16チームが出場。トーナメント戦を繰り広げる。苫選抜は本道勢唯一の出場となる。
▽1回戦
オール江津ジュニア
10000=1
2232X=9
苫小牧選抜
(五回コールド)
(江)西本、近本―森田
(苫)矢吹、高杉、山野―吉田
(本)横谷(苫)
(三)松尾(苫)
(二)森田(オ)横谷、坂野(苫)
苫選抜が毎回得点で快勝。1点を先制されて迎えた一回裏、横谷の二塁打を皮切りに相手の失策と熊野の適時打で逆転に成功。二回には横谷が2点ランニング本塁打。その後も効果的に追加点を挙げた。
守っては先発の矢吹、高杉、山野と3人でリレーし、1失点に抑えた。
普段通りの野球を―苫選抜
「自分たちのためだけではなく、支えてくれた人のために野球をやろう」―。大事な初戦前、チームを率いる石川将一監督(沼ノ端スポーツ少年団)が選手たちに呼び掛けた。そうした意気込みを持ちつつ、苫小牧選抜は普段と変わらない野球を展開し、コールド勝利で発進した。
ファイターズジュニアにも選ばれた矢吹太寛(同)が先発マウンドに上がった。立ち上がりこそ失点したものの、その後は持ち味の制球力を武器に打たせて取りながらオール江津打線をかわした。
その裏に打線が相手のミスを突いて逆転し、二回には横谷塁(拓勇ファイターズ)が右中間へ2点ランニング本塁打を放ち一気に士気を高めた。三回以降も足を絡めた攻撃を展開し、快勝につなげた。
全国の舞台でも堂々と戦った道チャンピオンの苫選抜。「うちらしい野球ができたのは本当によかった。この後も一戦必勝で戦う」と石川監督。どんな相手でも苫選抜カラーを打ち出す野球で前に進むだけ。福澤旬主将(沼ノ端ジェッツ)も「この大会に出られなかった仲間たちのためにも日本一になって終わりたい」と力を込めた。