苫小牧明倫中、光洋中の卓球部男子がこのほど、札幌市内で開かれた北海道中学選抜卓球大会(道卓球連盟など主催)団体戦男子の部で共に準決勝進出の3位入賞を果たした。東胆振の男子卓球界をけん引するライバル校同士。明倫は2年ぶり、光洋は3年ぶりの全国中学校大会出場に向け、各チームは活気を帯びている。
優勝校に与えられる3月の全国選抜大会(愛知県)挑戦権が懸かる2年生以下の大舞台だった。男子の部には全道各地の支部予選を勝ち抜いた49校が出場。16組に分かれた予選リーグと、同順位同士によるトーナメントを行った。
試合は4シングルス1ダブルスの5ゲームを展開し、3ゲーム先取のチームに軍配が上がる。苫小牧予選1位の明倫と同2位の光洋はそれぞれ予選で2戦全勝。1位トーナメントに駒を進めた。
明倫は、2年前の全国中学大会に唯一出場したエースの武内哉太(2年)をはじめ、前の代から主力を担ってきた2年生が多くそろう。1回戦で深堀(函館)に3―0のストレート勝ち。2回戦の音更(十勝)も難なく下した。
準決勝こそ、七飯(函館)にフルセットの末、2―3で敗れはしたが、「大きな差は感じなかった」と五十嵐裕幸監督は頑張りをたたえる。
団体戦の勝敗を左右するともいえるダブルス戦でポイント計算できるのが強み。早瀬莉玖主将・山越海璃の2年生ペア。共に回転数の多いドライブショットが武器で、今大会負けなしと安定感を誇った。
ただ、今後は光洋はもちろん、他の強豪校から追われる立場にもなる。「このプレッシャーをいい形に変えてほしい」と指揮官は期待。早瀬主将は「最後まで諦めないチームにしていきたい」と集大成の夏を見据える。
エース武内は「(2年前の)全国大会はとても楽しかった。次はみんなで行きたい」と奮闘を誓った。
一方の光洋は、予選の2試合に続いて1回戦の札幌(同)、2回戦の永山南(旭川)にもそれぞれフルセットの戦いの末に勝利。昨年の全日本選手権カデット(山口県)13歳以下男子シングルスに出場した金須海人、小学年代の全国大会団体戦出場経験を持つ越智陸斗、渡部拓斗の1年生トリオが勝利をけん引してきた。
特に金須は、2回戦の永山南戦で1番手のシングルス戦に登場。「焦って自滅が多かった」と立て続けに2セットを取られた。早くも勝利の方程式が崩れかけたが、「自分が負けたらチームも負ける」とエースの意地を見せ、そこから3セットを連取。大逆転勝利を収める勝負強さが光った。
ライバル明倫の存在がメンバー成長の原動力でもある。昨秋の苫小牧支部予選では、予選リーグ、決勝トーナメント決勝でそれぞれフルセットの戦いの末に及ばなかった。「打倒明倫」を掲げ、実績豊富な1年生3人が中学から競技を始めた他部員に積極的に胸を貸しながら、チーム力を上げている。「すごく頼もしい後輩」と山田遥生主将(2年)。「一日一日の練習を大切にしていきたい」と言葉に力を込めた。
道中学選抜卓球大会メンバー
明 倫
早瀬莉玖(2年)
武内哉太(2年)
山越海璃(2年)
橋本羽琉(2年)
三浦諒太(2年)
花涼之介(2年)
山田裕介(2年)
野神佑月(1年)
光 洋
山田遥生(2年)
千葉虹介(2年)
澁谷太尊(2年)
越智陸斗(1年)
金須海人(1年)
畑友惺 (1年)
渡部拓斗(1年)
羽澤純平(1年)