憤りと悲しみと

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年12月24日

 氷雨に濡れる墓所へこうべを垂れる大学関係者の姿を、ここに納骨された人たちの霊はどんな思いで見詰めていたのだろう。墓所の中の1200体を超える遺骨は北大や東大、京大など全国の大学が研究目的で保管してきたアイヌ民族のものだ。白老町に整備した国の慰霊施設へ移送した各大学の代表者が今月14日、墓所での鎮魂式に顔をそろえ、神妙に手を合わせた。

 明治から昭和にかけて人類学や解剖学の学者らは、各地の墓地から土葬の遺骨を掘り出して研究に使った。中には無断で墓から持ち去る行為もあったらしい。大学での保管方法もひどかった。誰の骨か分かるように記録していなかったり、頭と体をばらばらにし、それぞれ別の場所で粗末に保管していたりと、人の尊厳への配慮を著しく欠くありさまだった。北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は各大学の保管状況を目にして絶句したという。「あなたの先祖が同じ目に遭ったとしたら、どう思うか」。鎮魂式の取材の際、涙を浮かべた加藤理事長からそう言われ、何も答えられなかった。耐えがたい屈辱を味わった、その憤りと悲しみの深さに触れた思いがした。

 問題はまだ解決していない。鉄筋コンクリート造りの堅固な墓所に集められた遺骨を1体でも多く、ふるさとの土に返すことがアイヌの人々の願いだ。国や大学の十分な調査と責任ある対応を求めたい。(下)

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