活躍

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  • 2019年12月23日

  たびたび世相を反映する結果を生んできた中央競馬のグランプリ有馬記念。昨年もこの時期に「平成最後」ということもあって取り上げた。競馬ファンのさがと言おうか、きのうレース後の興奮冷めやらず、「令和最初」と言い訳しながら振り返る。

   今年は牝馬が主役だった。レース前は国内外のG16勝馬アーモンドアイがファン投票1位で単勝1倍台の圧倒的な支持を集めた。レースは序盤アエロリットがハイペースの逃げで一人旅。最後の直線で抜けたのはリスグラシューで2着に5馬身差と突き放した。いずれも安平町のノーザンファーム生産。牡馬の出る幕はなかった。

   翻って人間の社会。2016年に女性活躍推進法が施行され、「女性活躍」が叫ばれて久しい。女性が仕事で活躍できるよう、企業などが推進する理念に、共感する人は多いと思うが、進んでいるのだろうか。結婚や出産後のキャリア継続、管理職登用などをはじめ、女性が個性や能力を発揮できる場はまだまだ少ない。

   男性目線で話を進めると、女性の活躍を想定した場合、家事や育児の話題は避けては通れない。周囲の協力も必要になるが、長年の慣習や仕組みなどを踏まえると、その協力もなかなか容易にはできない。

   職場での活躍を押しつけがましく女性に求める以上、男性も家庭で活躍できるような環境づくりの議論も急がれる気がする。(金)

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