プレゼント

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年12月16日

  バタークリームのケーキと、シャンパン風の清涼飲料水がクリスマスイブの定番メニューだった。小さなテーブルには母親手作りの空揚げなどが並び、クリスマスソングを歌ったのはもう40年以上も前のこと。もらったプレゼントの中身は覚えていないが、きょうだいと一緒に布団の中でサンタクロースを待ちながら「トナカイのそりに乗って自由にあちこち行けたら―」と夢見た時間はなんとなく覚えている。

   今の時代を生きる私たちに欠かせない乗り物は自動車。近年は自動運転車の開発が急ピッチで進み、直近の報道では、国内メーカーのホンダが来年夏にも5段階ある自動運転技術のうち、レベル3を搭載した車を販売するという。

   国土交通省によると、レベル3は高速道路など一定条件下で自動運転をしてくれる水準で、国内メーカーでは一番乗りになる見通し。ちなみにレベル1は自動ブレーキなどの運転支援、レベル2は車線を維持しながら前車を追従するなど部分的な運転を自動化したもので、実用化されている。同省は2025年をめどに高速道路での完全自動運転(レベル4)、その先に一般道路を含む完全自動運転(レベル5)導入を見据える。

   高い安全性を確保しながら、誰もが自由に移動できる時代はもうすぐ。その時を迎えられるのなら、トナカイのそりではなく、自動運転車に乗って子どもたちにプレゼントを届けに行きたい。(隆)

過去30日間の紙面が閲覧可能です。