白老町のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)が、住みやすい地域社会づくりへの優れた活動を表彰する「あしたのまち・くらしづくり活動賞」(公益財団法人あしたの日本を創る協会やNHKなど主催)の主催者賞に選ばれた。内閣総理大臣賞など三つの賞に次ぐ位置付けで、子育て支援や女性活躍の推進、介護予防サロンなどの活動が評価された。田村代表は「関わった一人ひとりに与えられた栄誉」と喜びを語る。
同財団法人は全国各地のまちおこしを支援し、独自の発想で地域、人材、暮らしづくりに取り組む団体などを毎年表彰している。今年の最高賞・内閣総理大臣賞には佐賀市のNPO法人空家・空地活用サポートSAGAを、主催者賞にはウテカンパを含む5団体を選んだ。
ウテカンパは、町社台出身の田村代表が多文化共生を旗印に掲げ、2019年に発足。当初から助産師や看護師、介護専門士ら多様な個性を持ったスタッフたちが、さまざまな理由で社会的に弱い立場を強いられている人たちの居場所づくりに取り組んでいる。
具体的には、アイヌ文様刺しゅう講座、母子に寄り添うママカフェ、介護予防や健康促進に資する「まちの保健室」などを開催。今年3月には地域医療の先進地である茨城県神栖市の神栖済生会病院と連携して地域医療勉強会、子どもの心身を暴力から守る教育プログラムを学ぶワークショップなどを開いている。弱者に寄り添う地道な活動が評価されて受賞した。
表彰式は2日に東京都内で行われ、田村代表は「多様な個の集まりが、さまざまな可能性を広げてきた。そのことが認められてうれしい」と前を向き、これからの活動を見据えている。