東日本大震災で津波被害を受けた宮城県東松島市で拾われた松ぼっくりをルーツとする「希望の松」の苗木が7日、厚真中央小学校(池田健人校長)に贈られた。苗木を育てた福岡県春日市の「NPO法人星のふるさと」の今村次美理事長(66)が来校し、「希望の松基金」10万円と合わせて直接届けた。
同法人は、広葉樹などを植える活動を通じて災害に強い山林づくりを展開している団体。今村さんは東日本大震災後の2011年6月にボランティア活動で東松島市を訪れ、津波被害にあった野蒜海岸で「無意識に」拾った松ぼっくりを持ち帰った。その後、自宅で芽が出て育った4本の苗木を「希望の松」と名付け、14年に東松島市や地元春日市の春日野小にそれぞれ寄贈。以降、熊本地震や九州北部豪雨で被害を受けた小学校にも寄贈してきた。
今回、厚真中央小に届けたのは「希望の松2世」で、高さまだ80センチほどの小さな木。体育館で寄贈セレモニーが行われ、代表して6年生の中島愛音桜さん(11)と高橋侑也君(12)が受け取り、高橋君が「全校で大切に育てていきたい。松の木のように僕たちも元気に頑張る」と謝辞を述べた。
同校は冬の間、室内で希望の松を保管し、来春に校庭での植樹を予定。今村さんは「これから苦しいことがあるかもしれないけれど、希望を持って、明るく元気に成長してほしい」とエールを送っていた。