白老東高校で7日、白老町のヨコスト湿原をテーマにした地域学の授業が行われ、講師に招かれた町環境町民会議会長の中野嘉陽さん(79)がヨコストの豊かな自然について生徒に伝えた。
地域学は3年生の選択科目。生徒24人が臨んだ今回の授業で、ヨコスト湿原友の会会長も務める中野さんはスライド写真でヨコストの自然環境を紹介し、「2016年に環境省から日本の重要湿地に選定された湿原であり、生物多様性の観点から非常に重要な環境にある」と説明した。
湿原に自生するイソスミレ、ハマボウフウなど多種多様な在来植物も写真で紹介しながら、セイタカアワダチソウやユウゼンギクなど外来植物の侵入と分布の拡大によって在来種が脅かされている現状も伝えた。
また、周辺開発に伴う湿原の乾燥化、エゾシカによる在来植物の食害といったヨコスト湿原をめぐる課題も取り上げ、地域に残る貴重な自然環境を守る必要性を生徒らに呼び掛けた。