恵庭市は15日、2020年4月から本格稼働する市焼却施設(中島松)の火入れ式を同施設で行った。施工監理、施工事業者、町内会関係者ら約50人が出席し、施設の安全運転を祈願。試運転を16日から開始し、家庭系収集可燃ごみなどを受け入れて11月にも炉への投入を開始する。
同施設の整備は16年9月から、施工はエヌエス環境・大林・恵庭特定共同企業体、施工監理はドーコン(札幌市)がそれぞれ担い、外溝までの各工事を9月末までに完了させた。総事業費49億5700万円。敷地面積2・8ヘクタールで建物は鉄筋コンクリート造り地上4階、地下1階建て。延べ床面積は4200平方メートルとなる。焼却炉は2基あり、1日の処理能力は計56トン。排気ガスの熱は施設で再利用する。
火入れ式では、原田裕市長、共同企業体を代表してエヌエス環境テクノロジーの下田栖嗣社長、ドーコンの岩崎秀樹常務の3人で、焼却炉の点火スイッチを押した。モニターには炉内の火が映し出されて拍手が起きた。神事では関係者が玉串をささげた。
市長はあいさつで「地域の理解があってきょうの日を迎えられた。安全で市民が安心できる施設になることを願ってやまない」と述べ。下田社長は「竣工(しゅんこう)に向け、安全に配慮し、万全の体制で臨む」と決意を語った。
出席者を対象とした内覧会も実施。約490トンのごみを収容可能なごみピットや炉の周辺設備、高さ5・5メートルあるごみの投入扉や粗大ごみの切断機などが公開された。
市は本格稼働に向けて今年4月から家庭ごみの分別方法を改め、衣料品などを可燃にした。稼働後には、島松沢の焼却施設が02年に閉鎖して以来続いてきた盤尻の最終処分場への可燃ごみ埋め立てを終える。
試運転はエヌエス環境・道央環境センター共同企業体が行う。家庭系収集可燃のほか、家庭系粗大ごみ、事業系可燃ごみの一部を1日当たり29トン受け入れ、来年3月16日まで定期的に焼却。処理能力の詳細や排ガス、炉の温度が環境基準を満たしているかを確かめる。