15日告示の白老町長選で無投票当選を決めた現職戸田安彦氏(50)。3期目のまちづくりの展望などを聞いた。
―2回連続の無投票当選への受け止めは。
「無投票となったのは、2期8年の実績が評価され、支援の輪が広がった結果だと考える。ただ、町にとって選挙があった方がいいとは思う。一般的傾向として有権者の政治離れ、まちづくりへの関心が薄れてきているのは確か。全般的に選挙の投票率も下がってきている。私たち政治家の仕事がしっかりと伝わっていないのならば、反省しなければならない」
―3期目の取り組みで特に力を入れたいことは。
「来年4月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業は白老町にとって千載一遇のチャンス。まずは国や道と連携しながら年間来場者数100万人の目標達成に向けた環境整備、情報発信に努めたい。町立国保病院の改築は大きな課題であり、具体的方針を決めて一日でも早く建設に着手したい。財政再建も道半ばであり、健全化を推し進めたい。また、ここ数年の町の事業はウポポイ周辺整備に傾注する形だったが、整備が落ち着いてきた中、来年度からは道路や上下水道整備など町民の生活向上を図る事業に力を入れていきたい」
―整備中の白老駅北観光商業ゾーンをどう生かすか。
「建設中のインフォメーションセンターについては、ウポポイやポロト湖に訪れる観光客を町内全体に周遊させるための拠点として、観光協会や事業者と連携しながら取り組みたい。(まだ事業者が決まらない)民間活力導入区域に関しては、今の募集要件が事業者に受け入れられるものかどうかを確認し、宿泊や飲食、物販の事業者が参入しやすい方法を考えていきたい」
―人口減少にどう対応していくか。
「人口を増やすというのは現実的には難しいので、いかに人口減に歯止めをかけるかという点に重きを置きたい。人口を維持するには、やはり若い世代が白老に住んで働いてもらえる環境が重要だ。そうした意味ではウポポイ開設は起爆剤になると思うし、既に開業を前にアパート建設も相次いでいる。教育など子育て環境も充実させ、若い人の移住や定住を促したい」
―町内で目立つ老朽公共施設を今後どうするか。
「各施設の個別計画を作り、優先順位を付けながら改修などに取り組みたい。施設の更新のほか、人口減少が進む中で廃止、統廃合という考えも出てくるかもしれない。公共施設の将来については地域住民との対話も必要になる」