第95回日本選手権水泳競技大会のオープンウオータースイミング=OWS=競技(22日、千葉県)に、今年も千歳ビーバースイミングクラブ所属の北翔大1年、濱野巧さん(18)が出場する。3年連続の大舞台となり、「10位以内に入るのが目標」と意気込んでいる。
OWSは海や湖などで行われる長距離水泳競技。千葉県館山市の北条海岸を会場に、10キロを泳いでタイムを競う。日本水泳連盟が定める標準記録の突破など、一定要件を満たすことで出場でき、濱野さんは2017、18年に続き3回目の出場。全国から長距離泳力自慢の約70人と日本一の座を競う。
流れの強い海流や低めとなる水温などプールとは違う状況下のレース。当日の環境によって体力の消耗度合いやタイムが左右される。
濱野さんは高校2年だった17年に初出場した際、記録は29位。18年は19位と順位を上げた。3回目の出場に「(過去の大会は)力を出し切れた感じがしなかった。まだいける」と意気を高めている。
波の流れを読み、腕や脚の力の入れ方を工夫する。「諦めない」という精神面での要素も重要だ。指導に当たる同クラブの今井正彦コーチ(49)は「後半5キロからのレースでの粘り強さが身上。他の選手と接触したときに当たり負けしないようにすれば行ける」と背中を押している。
今夏は小樽の海で、計7日ほどトレーニングに取り組んだ。現在は10キロのレース中、いかにフォームを崩さずに泳ぎ切るかを意識した練習に励む。濱野さんは「過酷なレースだけど、終わった後の達成感がいい。自身の成長にもつながっています」とOWSの魅力を語る。
今回は10位圏内を射程に入れたレースプランについて「これまでは前半は様子をみて、後半に調子を上げていた。前半からスピードを上げて、先頭集団に食らい付いていく」と力を込める。