昭和

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年9月20日

 先週末からの3連休。札幌・中島公園を歩いた。見上げるとイチョウやハルニレが少し、色づき始めている。きょうからは彼岸入り。間もなく、紅葉の季節を迎えようとしている。

 公園の片隅にある道立文学館に足を運んだ。12月で80歳になるノンフィクション作家、保阪正康さんの特別展。同志社大の学生時代、下宿屋のおばさんとくつろぐ保阪少年の写真。仕事が楽しくてしょうがなかったという20代後半、朝日ソノラマの編集者時代の写真も。緻密な取材方法で使われた貴重な資料も並び、引き込まれた。

 演劇少年から文筆の世界へ足を踏み入れた理由は何か。「年表の1行を1冊の本に」との思いからという。歴史上の証言を得ようと、昭和を生きた政治家、軍人など取材した人の数は延べ4000人以上。あらゆる階層の人たちと会話を続けていくうちに「人は記憶を整理し、時に作話し、時に美化する」ことに気付く。それが「人間の性」であることも踏まえ、「東条英機と天皇の時代」など昭和史の実態に迫る傑作を残した。

 昭和に光を当てながら近現代史を検証する独自の作品群。史実を確かめ、歴史に息吹を与える「歴史ノンフィクション」としては、開拓者の一人なのだと思う。「昭和には、人類が体験した社会的事件や事象のすべてが詰まっている」。保阪さんの思いだ。歴史の教訓が詰まった特別展は、11月7日までロングランで続く。(広)

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