7日に厚真町総合福祉センターで行われた胆振東部地震追悼式では、遺族を代表し町内表町の農業早坂信一さん(54)が地震による吉野地区の土砂崩れに巻き込まれ、犠牲になった父清さん=当時(81)と母艶子さん=同(80)=を思いながら、前に進む決意と救出活動に当たった関係者へ感謝の言葉を述べた。
早坂さんは地震後、両親が行方不明になった同地区へ向かうとあまりの惨状に「『俺、何か悪いことをしたのかな』『何でここなんだよ』などとさまざまな思いがよぎった」と当時の心境を吐露した。
艶子さんは認知症だったため、1年半ほど早坂さんが食事を作っていたことも回顧。地震後、スーパーで買い物をすると、手に取る食品の量が少なくなり「ああ、これはもう買わなくていいんだと思うと、急に悲しくなって1人で涙目になって買い物をした」と言う。
家族や友人を突然失った悲しみは簡単に受け入れられないが、「亡くなられた人たちは、残された家族がいつまでも泣いているのは見たくないはず」と力を込めた。
行方不明者の救出活動に当たった人たちや国内外から義援金、支援物資、励ましの手紙にも触れ、「この世にいる優しい方々のおかげで今の自分がいる」と感謝。「1日も早く日常が戻ることを願っている」と語った。