支笏湖産ヒメマス「支笏湖チップ」の第2回新商品開発会議が4日、千歳市内の支笏湖漁業協同組合で開催された。試作品3種類を出席者で食べ比べ、味付けや包装などを議論したオリーブ油を使った調理品や甘露煮を候補に、和洋の味で2020年1月までに商品の開発を目指す。
ヒメマスの新商品開発は毎秋採卵する親魚の身の活用法を探り、新たな名物で支笏湖観光の活性化を目指す取り組み。
今回の会議には国立公園支笏湖運営協議会、同漁協、公立千歳科学技術大、道内の水産加工会社、補助金を交付する道央産業振興財団、千歳市から計9人が出席。試作品として佐藤水産がオリーブ油で煮る南欧風の料理「アヒージョ」や甘露煮、丸駒温泉旅館がオリーブ油漬けを持ち込んだ。
「アヒージョ」は冷凍の親魚を1匹丸ごと使い、米粉をまぶして油で揚げ、圧力をかけて加熱し、にんにくの風味も利かせて骨ごと食べられる柔らかさを実現し、甘露煮はしょうゆや砂糖などで味を調えた。丸駒温泉の姉妹宿「翠明閣」が作ったオリーブ油漬けは魚を軽く薫製し、商品第1弾として生まれたヒメマス魚醤で味付けした。
出席者は試食を通して塩分や脂の乗り具合などの感想、ふさわしい食べ合わせ方や販売形態といった提案で意見交換。水産加工会社の担当者は「いい味で作ることができた」と手応えを示し、良好な環境の下で生育したヒメマスが材料となる点で「名称や包装などで商品にストーリー性を持たせられれば」と語った。
今後も味の改良や研究を重ね、容器や外装デザインの検討を続ける。同協議会会長の佐々木義朗丸駒温泉社長は「予定より早く開発の見通しがついて良かった。支笏湖に来てもらうという最初のテーマを忘れずに取り組みを続けたい」と話した。