心の理解

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年9月2日

 白老町で2020年4月に開設するアイヌ文化復興のナショナルセンター「民族共生象徴空間(ウポポイ)」。菅義偉官房長官の方針を踏まえ、年間来館目標100万人を設定しているが、知名度はいまひとつ。開設まで1年を切った現在、鈴木直道知事をはじめ関係者が躍起になってPRのてこ入れをしていると聞く。

 お膝元の白老町。役場に電話をするとアイヌ語で「イランカラプテ」と迎えてくれる。「こんにちは」の意味の他に、「あなたの心にそっと触れさせていただきます」という思いも含まれる。電話の待ち受け保留音は、新井満さんと秋辺デボさんの2人が作詞作曲した「イランカラプテ~君に会えてよかった」という曲。着実におもてなしの準備を進めていた。

 白老支局にいた頃、アイヌ民族の血を引く若い人たちによく取材した。顔見知りになり、雑談の中で聞いたのは、交際相手の家族や親戚から猛反対され、別れさせられたという悲しい過去。文化を伝える施設に働いていた職員は「お前らが飯を食えるのは、俺たちが税金を払っているからだ」と罵声も浴びせられたという。「そんな話はいっぱいあるけど、もう昔のことだから」。笑いを誘いながら語る言葉の端々から、悔しい思いを感じ取った。

 ウポポイ開設を前に地域に住む私たちができること―。その最初の一歩はアイヌ文化の心にそっと触れることではないか。(隆)

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